Geochemical probing: comprehensive analyses of carbonaceous chondrites

  • 指導教員(*主担当): 中村 栄三*, 小林 桂, 田中 亮吏, 国広 卓也, 北川 宙
  • 受入人数:  6名まで

炭素質コンドライトは3 wt%の炭素を含み,溶融を経験していない初生的特徴を有する.「はやぶさ2」では,この炭素質コンドライトの母天体と考えられているC型小惑星「リュウグウ」をターゲットとして,太陽系進化の初期に形成された物質の回収が計画されている.

炭素質コンドライトは起源の異なる物質からなる集積岩で,大部分をなすマトリックスは1ミクロンにみたない微粒子によって構成されている.マトリックスが全岩に占める割合は5%から99% と非常に多様であり,母天体の異なる部位をランダムにサンプリングした結果と解釈される.また,小惑星の形成とその後の水質変質あるいは熱変質も,炭素質コンドライトのマトリックスの粒径や主成分・微量成分元素の分布の多様性を生む要因になっているであろう.

小惑星と隕石の関係の理解は,“部分”から“全体”を再構築する作業といえる.換言すれば,異なるスケールでの元素分布を正確に把握することである.しかし,スケールの異なる物質の分析は,手法や機器の感度・精度・分解能という制約に支配される.本プログラムでは,隕石の全岩を小惑星,マトリックスの一部を小惑星のサブサンプル(隕石)と見なすことで,小惑星探査によって得られる試料からその天体の特徴および進化を演繹する解析—疑似リュウグウ試料初期分析を体験する.組織や化学組成の異なる3つの炭素質コンドライトを分析対象にし,全岩とマトリックスの破壊・非破壊分析の実施を予定している.課題に用いる機器等の詳細はPMLホームページ(https://pml.misasa.okayama-u.ac.jp/)を参照されたい.